詩集・人生の最中に/生田 稔
 
ーの名手は
 詩人などより幸福かも
 わたしがとおつた
重苦しいい人生には
グライダーの
無意味さがなかった
そのために旗振りの
仕事をしてもいい
誰かグライダーに
誘ってくれないか

笹小舟

細き川、流るるままの笹小舟
今日は日暮れてゆく道の
旅のつれづれ
妻と共、放ちし笹の小舟行く
先は知らねど、幾たびか
重ねし宿の多かりき
旅のゆきずれ、すれあいて
契りし頃のなつかしき。

Littlassの朝

また朝だ 夢が醒め のびをする
彼女が笑っている
彼女の心が遠くのほうから
すがしき朝のこの思い
遅き朝食とベートーベンの
田園 息子は
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