射精についての覚書、あるいはボードレールについての覚書/んなこたーない
 
娼婦ばかり登場するというところだ。ぼくも娼婦は嫌いではないが、素人の方が断然好みである。困ったことに今の世の中、セミプロと呼びたくなるような女性の数が少なくないことで、道徳観念は変化するものだから、かれらの女性観もそのうち完全に通用しなくなるだろう。ともあれ、女遊びに金と時間が必要であることには、今も昔もない。これをいかに捻出するか、それが問題だ。
 ボードレールは「ダンディ」について次のように述べている。
 「金もあり、暇もあり、遊びすぎて感覚が鈍くなってはいるが、幸福を追い求めるほか何の仕事も持たない男。贅沢三昧に育てられ、若いうちから人に頭を下げさせることに慣れている男。つまりは、粋とい
[次のページ]
戻る   Point(1)