射精についての覚書、あるいはボードレールについての覚書/んなこたーない
 
ことは、少々馬鹿げている」

 今さっき、あるエッセイを読んだ。それは古今東西著名な思想家、政治家、文学者などの女性に関する語録についてのもので、今日から見るといかにそれらが蔑視的であるかという趣旨のものであった。その中で特にナポレオンの次の発言がとても印象に残った。「女とは、子供を生産する機械以外のなにものでもない」なんだかどこかの国の大臣が口にしそうなフレーズだが、有難いことに、現代はナポレオンの時代ではない。人口爆発の世紀である。「生めや増やせや」はもう流行らない。

 ところで、ぼくはヘンリー・ミラーが好きである。永井荷風も吉行淳之介も好きだ。かれらに共通しているのは、小説内に娼婦
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