バブルから遠く離れて━━とある放浪記━━/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
を向いて目を見開きながら、そう言った。無理もないだろう。人を助けるために(あるいは赤十字の収益のためでもあるけども)善意の人が訪れる献血センターにまだ20代前半の若い男がそう尋ねるのだから。しかし私はどうしたら苦しくなく自殺できるかをその時は真剣に考えていたから、そんな常識はずれな質問が出来たのだろうし、きっとその時の私の顔つきは尋常ではなかっただろう。私は仕方なくただ工程どおりに献血を終え、飲み物とお菓子をたらふく頂いて、センターを去った。
 死にたいという気持ちは日ごとに強くなっていったが、小心者で臆病な私は、図書館で凍死が比較的楽であるという事を物の本で読んでは早く冬にならないかなあと思い
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