バブルから遠く離れて━━とある放浪記━━/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
思いつつ、ただあり余る時間をひたすら無駄に食いつぶした。当時はまだ夏前だったのだ。車にぶつかる勇気もなく、クスリで死のうにもクスリを買う金などありもせず、首を吊るなどとんでもないと言う情けない気持ちのまま、ただ流浪そのものの生活をし続けた。
 


 こんなこともあった。
 沼袋という中野区にある町に大きい公園があり、そこに丸太で出来た屋根付きの休憩所を見つけた私は、そこをその日のねぐらと決めて身体を横たえた。するとそこに一人のいかつい体格の薄いサングラスをかけDr.クマひげのような髭を蓄えた気の弱そうな男が、私の座っていたベンチの、私と反対側の角に座った。私はイヤな予感がしてはいたが、
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