バブルから遠く離れて━━とある放浪記━━/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
つり銭拾いや道端で落ちている本を拾い集めてなんとか生きていく事だけは出来た。つり銭拾いなど一日2千円程集めた事があって、その日は確か久々にまともなものを食べて銭湯に行った覚えがある。しかしなかなか毎日そういう訳にもいかず、百円に満たない事も数多くあった。そういう日が続いたときはやむを得ずスポーツ新聞のお世話になり、その日のみの片付け仕事などをして、それで何日も持たせた。とにかく何が何でも働くのがいやでいやでしょうがない時期だった。折りしもバブルの真っ只中で、アルバイト雑誌が枕代わりになるくらい分厚かったのがいまでも鮮烈に思い起される。
思えば16の頃から新聞配達をして18の頃上京し、19の終わ
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