十年間/MOJO
 
ヶ月の入院生活は快適だった。毎日清潔な風呂に入り、朝六時起床、夜九時に消灯。そういう生活は私をリフレッシュさせた。
 退院した私は徐々に酒を飲まなくなっていった。酒を止め、昼夜逆転の生活を改め、近所の生活支援NPOに通うようになったのである。この心境の変化は、自分でも理由が判らず、心の奥底でサーモスタッドが作動したとしか言いようがない。相変わらず抗欝薬と眠剤は手放せないが、朝は七時には起き、夜は日付が変わる頃に布団に入る。そういう規則正しい生活をしてみると、時間というものが余ってしかたがない。パソコンのオンラインゲームにも厭きると、私はもう一度仕事をしようと考えるようになっていった。ささやかに仕
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