おはなし 1〜50/Monk
 
で目覚まし時計をひっぱたくことで始まり、ピアニストの一日はその繊細な指で目立つ白髪をひっこぬくことで終わる。



(13)

灯台守である二人は夜ごと互いの灯りを海に泳がせ、言葉にならない言葉をかわしている。



(14)

それが洗濯機の中でまわしてよいものかわるいものか、一晩中妻と話し合った。



(15)

二塁ベース上では僕の理想の女の子がこちらに微笑んでいるのだが、監督からは執拗にバントのサインが出ている。



(16)

海で拾った瓶詰めの手紙の文面に僕はとても心を揺さぶられるが、その後毎日のように手紙は流れつき、それらは全て同じ
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