同時多発朗読・個人レポート/服部 剛
 
胸を打つというのは、<詩の言葉って、一体何だろう?>って、
改めて考えさせられますね。」

車窓の西陽を背後から受けた大村さんはうなずき、少し考えた後、

「こういう目的で詩を発表する場合は、必要以上な難解な詩の言葉だと、
メッセージは伝わらなくなるから。」

僕は大村さんの言葉に、うなずいた。

「新宿ぅー、新宿ぅー・・・」

社内のアナウンスの後、電車は止まり、ドアが開いた。
阿佐ヶ谷に映画を見に行く詩友たちは皆、降りていった。
違う映画を見に行く僕は、一人になった。

「渋谷ぁー、渋谷ぁー・・・」

今まで迷っていた僕は、決めていた。
胸の内に頼りなく揺
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