同時多発朗読・個人レポート/服部 剛
 
題で、
遠い空の下で人質になっている娘を想い、
朝日に向かって手を合わせる。という連から始まり、
雨空や曇り空も必ず青空に戻るように、
この世の困難さえも、いつかは「希望の空色」に染まりゆくことを信じて、
というメッセージを、娘に、そして世の人々に伝える、祈りと叫びの詩であった。

その、自分には解り得ぬ絶望の底から発する詩の言葉を読んだ後、
山手線内のつり革につかまった僕は、前に座っている大村さんに、話しかけた。

「詩人は、より素晴らしい言葉の表現を模索して、
時には高質で難解な詩も書くけれど、
こういう、高遠京子さんの祈りと叫びがシンプルな詩の言葉で、
読む者の胸を
[次のページ]
戻る   Point(7)