ラインあるいは境界線/んなこたーない
 

肉厚く脈打つコンクリーの海を、
魚群は泳ぐ、――あなたの下腹部もまたそのようにして。
しかし、唇に抱かれた、
ぼくはもう、女の髪の毛にしか欲情しない。
なぜ、わたしたちは触れ合えないのだろうか?
なぜなら、明日にでも溝渠の汚水で溺死体になればいい。
粗末なベッドは大西洋横断船ではないし、
過度のロマン主義には、シュルレアリスム風に乳首の暴発がよく似合うから、
この呪われた夜を走破する、そんな力がぼくには欲しい。
ぼくは引用句でしか書くことができない。
(非常灯を、叩き割りました)
(叩き割りました、とまでは言わないが……)
ドラマティックでもグロテスクでもない、この瞬間の
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