ラインあるいは境界線/んなこたーない
間のために、
ああ、ぼくは独裁者が欲しい。
まだ見える、あの形、いま抜いた、
鈍痛のようなフラッシュバック。
テロルの予感、歯茎の色で、――沈黙は凶器じゃないんだぜ、と。
きっとあなたは、フォークナーが描き出した、
あの神話的な女性像について考えているのでしょうね。
あまりに二十世紀的なショッキングピンクよ、ストッキングよ。
ぼくはあらゆる記憶を憎む、
あなたはあらゆる忘却を憎む、
そしてぼくらは神秘をついに語りえない。
喋り疲れたね、
風がつめたいね、
みんな終わってしまったね、
まだ始まってもいないのに!
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