創書日和「雪」 雪睫毛/半知半能
 

雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました


「雪睫毛」


二〇〇六年 十二月 三十一日 大晦日
午前六時某分

おばあちゃんが鴨川の病院で
息を引き取った

おばあちゃん
やっぱりおばあちゃんはお婆ちゃんより
おばあちゃんの方がいいですね、って
そんなことを亡くなってから一月もたって思い立つような孫で
少し申し訳のない気分です
思い出や懐かしみを
きれいな言葉にして並べることは
得意に思っていたつもりですが
いざ始めてみると
それもなんだか違う気がして
こん
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