【小説】水色の下/R
が描かれていた。
「気持ち悪い」
隣の女の子が言った。
沢山のつぶつぶが溢れて殖え続けて、まるで腫瘍みたいだ。
その気持ちの悪いものから私達は出来ている。
こうしている間にも私達の一つの沢山のものが死に、殖え続けて私達の身体を作っている。
私達の身体は沢山で「ひとつ」。
それならば、「私」は?
「私」はひとりなのだろうか?
セックスが好きだ。
その瞬間一つになれて、その時は必要とされているのを感じるから。
セックスが嫌いだ。
愛されてないのが理解って、切なくなるから。
私達の年齢の恋愛の意味って何なんだろう?
けれどそんなこと、彼には言えない。
片付いた部屋。
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