蛙と首輪(長調)/R
 
蛙は透明な籠の中にいました。
彼の王国の壁はひどく純度が高い透明で、
周りには大小様々の動物が自分と同じように首輪でつながれて、ひどく疲れた表情でおりました。

隣に居る犬が言いました。
『(この首輪を)外すのは簡単。けれどそこからが本当に難しい。
(もし君がここから出る事を選択するのなら)僕をつまらない犬だと嘲笑ってもかまわないよ。』
よく見ればどの首輪もひどくたわんで抜け出すのは至極簡単そうなものです。

『抜け出さないのがルールなのさ。いつだって願えばそれは叶うけれど
(それはひどく臆病な僕には難しくてね)』兎は言いました。

『さあ君はその唯一無比な君がいる籠の世界
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