小詩集【レトロな猛毒】side.C/千波 一也
 
にも遠くない

つながらない


埋もれるものが声ならば
降り積もるものも
這い出るもの



手さぐりで永遠を散る
つかのまの
季節は


失うことが階段だったのかも知れない

ひかりを憶えた鈍痛に
小指はしずかに
うつむいた
まま




七、ウィンター・ガーデン


 灰色を抱きしめて、つぼみ

 破れることを募らせて、
 つばさ


黄昏に
いつも遅れて招待状は
焼けてゆく
夕焼けてゆく

そうして憂いは懐かしさに煙り、


 清らかなけがれが、ゆき

 な
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