小詩集【レトロな猛毒】side.C/千波 一也
なにも知らない者だけに、
そら
満たされない音色をつぶやけば
こころも震えて
ひとつに
消えて
しずく、
こぼれる間際に真冬を聴かせた
頑なに鎖をむすぶ、はな
捨て去るたびに降りそそぐ、
すな
そっと滅びたら
やさしい傾斜のはじまりのとき
誕生は底から、
不思議を揺れて、かぜ
実るともなくあこがれて、
つき
息吹、
氷をわたり氷へむかう
咲き誇ることのうすくれないに
八、ハニー・ステップ
すきなままでいいと思う
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(14)