小詩集【擬人絵図】/千波 一也
 
すか


近くにあっても届かない
遠くにあっても
たどりつく

そんな気配を鵜呑みにしながら
流れる星につかまった、



形をおぼえることがすでに形で
旅人のうたなんかを
口ずさむ、
僕は

終わらない、
終われない、

ぐるぐる回した地球儀を
ぴたりと
止めた




六、ランダム・リバー


感情をよぶことは
あたりまえにむずかしい


かえされながら
逆らいながら

寄る辺をなくして
ふたつの
川は


フィナーレ、を


響きのために
重ならず
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