『冥土の土産』/洗貝新
 

20世紀後半くらいだろうか。携帯の画面も小さくて便利な二つ折りが出てくる前だった。インターネットが普及し、爆発的にマイクロソフトやグーグルが世界を席巻する。メールから個人がブログという枠を起ち上げはじめた。
機能も大幅に増えて双方向のやり取りから投稿を通じて愉しめるサイトがどんどん出てきた。そうして投稿されたものを素人が普通に評価し合うという、投稿詩の原型のようなサイトがたまごのように出来上がるのだ。
稚拙にも詩などと呼ばれるモノを書き込んで送信する。
これが全国のユーザーに見られてしまうのか、と思えばゾクゾクとしてくる。
まだ詩の良し悪しなどわからない。でも投稿されたものには明らかな
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