入退院後の日記/由比良 倖
1月23日(火)、
昨日まで五日間、入院していた。自殺に失敗して病院に搬送されたのだ。二日間意識を失っていた。目が覚めてからは、死にたいという切羽詰まった気持ちが消えてしまっていて、何だか何もかもに寛容になれるような不思議な気持ちでいた。会う人ごとに懐かしさを感じるみたいだった。でも、何処となく計算高くもあって、もう十分元気だと医者にアピールしつつ、元気さを強調し過ぎて、焦っているとか、躁状態だと思われない程度に、自分をコントロールすることも出来るだろう、と考えたりもした。本当に有り難いことに、譫妄状態が晴れると、自分が、いつも以上に正気だと感じられた。だから、医者の先生にも、僕がもう狂っても
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