年明けからの毎日/番田 
 

何かを感じ取っている、存在していることによって、電車の音を聞いているようにして。年が明けてからすることもなく、スーパーで野菜を買う以外はこれといった行動をしたことはなかった。呼吸を繰り返しているだけの檻の中の動物にも似ていた。知るべき、何かがあった気もしたけれど。食事を、時には、作っていた。ラジオからは新しいウイルスの蔓延を告げる情報が発せられていた。今回は、特に、警戒をする必要もないウイルスなのだという。そんなウイルスを、ウイルスと呼んでよいのかわからなかった。僕はうどんをよく作っていた。鳥である場合が、具としては多い。時には、何か他の食事を考えねばと思っていた。しかし、それを食べることばか
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