恋昇り10「雨の夜」/トビラ
昨日は、みんなで話し合って、ちょっと仲よくなれた気がする。
そう思う、朝、連座君から声がかかる。
連座君の部屋に行くと、菜良雲君が先に来ていて、山藍さんが後から来る。
みんな、表情がどこかやわらかい。
私はなんとなく「おはよう」と言う。
みんな少し笑って「おはよう」と返してくれる。
連座君が口を開く。
「今日から一ノ世との合流を最優先したいと思う」
私と山藍さんは内心驚く。
「方法は?」
菜良雲君が連座君に訊く。
「方法というか、現状は、手がかりがあまりになさ過ぎる。だから、みんなの知恵を借りたいと思う」
「ちょっといいかな」
私も口を開く。
みんなが私を見る。
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