魂の遍歴の旅/うあすっしー
魂の遍歴の旅。
草原に立っている。いったい、どこから歩いてきたんだろう。はるか遠くの地平線のむこうへ、小さな夕日が沈んでいこうとしている。その輝きの美しさに思わず見入ってしまう。
小さな村を見つける。ゆるやかな起伏に沿ってつづいている畑では、母親と小さな子どもたちが素手で土をいじっている。その土の豊かなことは、空気と風のにおいで、なんとなくわかる。母親は畝を立て、子どもは雑草の根っことミミズを掘り出して遊んでいる。「盛り土を踏まないよう、気をつけて。」異国の言葉でおそらくそう言ったのだろう母親が、腰をあげ、こちらに向けて、ひまわりのように、にっこりと笑う。
この自然すべてを抱いてま
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