魂の遍歴の旅/うあすっしー
てまわる大いなる地球と、ここで生まれ、受け継がれてきた文化から垣間見える人間のしたたかさに畏敬の念を覚えながら、魂が洗われていくのを感じる。
魂の遍歴の旅。
男は、使い古された三輪自動車を、馬車よりも遅い速度で、南方へ向けて運転していた。村に近づくにつれて、かつて、その自動車が村へ運び込まれたときに人々があげた、あの熱狂にみちた歓声が、いまでも聞こえてくるように感じられた。やがて男は運転席から村に向けて、トーチを握った手を高く掲げて振る。夕闇のなかを、暖かくてやさしい灯りが、みぎへひだりへとひかりの尾をひきながら、おどけるように踊っている。
魂がうずいている。生きようとしている
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