「才能」は時に「凶器」になることについて/あおい満月
 
秒針が耳の背中にこびりついてはなれない。
私は朝を生きながら夜を数え続けている。浮
かんでは消えていったいくつもの海月たちは
無言の会話を繰り返して味のない笑い声を立
てる。見えない海が目を覚ますとき、私は初
めて生まれる。何度でも繰り返し繰り返して
私はできあがる。目のなかに赤い血が溢れた
と思って目を開けたとき、真っ赤な朝焼けが
網膜を引き裂いた。そのときに、私はまた気
がつく。歩き続けた道を、また今日も歩いて
いくと。

これが、今朝一番で書いた最新の散文詩である。自分のなかで、詩が少しずつ枯渇しているように感じる。そんな気がしてしまうのは、それもそのはずだろう。私は
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