なめらかな小石/はるな
半月だか一月だかあるいはそれよりも長いのか泣いて暮していると花は季節をわたっている。咲くばかりであった紫陽花も色あせるどころか朽ちかけているじゃないか。雨の日は靴をはかずに濡れている地面を高層から見下ろして、もしくはテレビ画面を通した目のようなもので眺めている。
日記も書かずに過ごしてはと思い紙をめくると規則正しく空間を抱いた数字たちがぽつぽつ行進してゆくのだがこんなに大勢あったか。と思うくらいな6月、6月。いつの間に春は終わったのか、というか春があったっけ。桜をみたのは覚えているが、
それにしても雨ばかり降ってどうしたんだろう。
と、考えるときわたしはすこし笑う、それがわたしの思う
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