なめらかな小石/はるな
思うような「遠く」の近くであるとおもうから。ここがどこであるのかわからないしどうしてここへいるのか、どうやってここへ着いたのかわからない、というのが遠くであるべきだ。一瞬のもの、遠さ、どうしているのかわからないということ。あきれるほど全ての物事は細長く薄べったく忍耐強く繋がっていてそれがただおそろしい。おそろしい、途方にくれる、でもこれが冬であったら救われるのにね。
しかたがない、冷蔵庫も冷えすぎてどうにもならないので買物へ出てみれば黄色い梅がごろごろ売ってあるのを見られる。それらをつけるための大きな瓶と焼酎も、それで梅雨や稲妻にも納得している。わたしはときどき愚鈍すぎる。
はさみは、
はさ
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