美しいことば/atsuchan69
 
竹内芳郎著「文化の理論のために(岩波書店、1981)」は、マクルーハンの「機械の花嫁」を読んだときに覚えた興奮以上のものを僕に与えてくれた。

しかし彼の唱える「カオスとコスモスの弁証法」は単なる理論装置を超えて、まさに矮小化された物語に潜む太古の神々のもつ恐るべきパワーとその利用のための解説ではないか。

ぶっちゃけ、文化などというものは、対象に名前がつけられ、舌と唇が震え、言葉として幾度も(複数回)発音されなければ単なる行為でしかない。
とうぜんストレートな怒りや悲しみは文化ではないし、無意識それ自体も文化ではない。
そして文化の役割とは、既存の秩序が設けたタブーである異界との対立
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