寝言は役に立たなかった。/真島正人
 
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個人的な話だが。
あまりにも呆然としてしまったのと、書くことが弔いになるかと思って。



Iさんが亡くなってしまった。
昨日、数人で一緒にバーで飲んでいて、気分が悪くなったといって彼は先に帰ったのだが、家に帰って布団に入って、亡くなったらしい。



Iさんは、僕がやっている事業の副会長であり、それも、つい二日前(つまり、彼の死の前日)、副会長になってくれたばかりだったのだ。



バーに僕を誘ったのはIさんだった。
町内会の新春の集いの後、急に僕に、
「次行こう、次」
と言った。
なんのこと?と思うと、親しい数人でバーに行くつもりらしかった
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