大宰府にて/soft_machine
節分は、母親がお札を返しに行くと決めている日。
数年前、「あんたも行かんね。」と誘われ、お参りのお供をしました。
太宰府は前日からの冷たい雨が降り止まない中、大勢の吐く息の白さが揺れていました。
参道の両側を埋め尽くしているお店からは売り子の声。溢れかえった人波の傘を気にしながら歩いてゆきます。空気が、まるで針のように冷たく硬く尖ります。延寿王院を見て突き当たり、左に折れると境内です。
久しぶりの天満宮。変わらない景色。ほぼ10年ぶりでした。
広く美しい庭、池、木々。懐かしい、心字池に掛かる太鼓橋。
池を流れる水の波、落ちる雨の円。緑の水面を滲ませる朱は鯉。
ひょう
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