死神博士のお化け屋敷/atsuchan69
崖っぷちに建つ古びれた館のまえで、サイボーグの首なし馬車を降りた。
死神博士の案内でオーロラの門をくぐったとき、人魂ならぬ様々な色形のプラズマライトが宙を舞い、そして仄かに灯って私の足元を照らした。
「博士。これはさっそく、いやに科学的なムードですね」
「勿論。総ては、科学によって証明できるということを予め知らしめるための演出も兼ねている」
黒羅紗で仕立てた細身のタキシードを着た死神博士は、さも自慢げにそう言うと胸のあたりに拳をあてた。
よく干からびた人型が数枚、人面痣のある庭木で首を吊っている。
「やつらは皆、科学を信じようとしないがためにああして己が惨めなるさまを晒しているのじゃ」
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