窓際?/はるな
そもそも窓際のこと(高校生活のこと)を思い出したのは、久々に彼女に会ったからだ。わたしたちはいまや、昼間からくらいバールでお酒を愉しむくらいに大人になってしまった。気恥ずかしさもなく酒をのみ、たばこをすい、男の子の話をする。
わたしが遠くへ来たように、彼女も遠くへ来たように見える。わたしとはべつの岸へ。そして、わたしたちは互いの岸のちょうど真ん中で会うことができる。話すこともできる。わたしたちは、わたしたち以外の人間とも、そのようにして距離を測ることができる。わたしたちは、壁を取り去ることではなく、壁に窓を取り付ける術を習得したのだ。かつて窓際にいたように。
わたしの状況が少しずつ悪く
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