梅雨/なまねこ
 
罪悪感の強い子供だった。ずっと感じていた。きりきりと痛んでいた。膿がたまり、かさぶたもできず、痛みは消えることがなかった。人の目を気にした。
 時間の流れを感じることがなかった。一瞬一瞬、過程を重く思った。時間は何かで区切られていた。その区切りでベルが鳴った。けたたましいベルの音を聞き続けた。
 石を蹴り飛ばし、その石の削れた場所に心を痛めた。地面に落ちた石を笑うようにベルが鳴った。きりきりと足が痛み、雨が降った。
冷たい路面が濡れた。
 皆が笑っていた。それを目にした瞬間にだけ、安息があった。息をつくとすぐに誰かが首輪を引いた。強い力で引いた。
 言葉がわからなかった。いつからか、どう
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