変わってねーのは夕日だけ/プテラノドン
土曜日の夕方、近所のスーパに向かった。店では月曜に発売するはずの週刊誌が売られていた。時刻は5時を回ったところで、店内には小学生や部活帰りの中学生に交じって仕事を終えたばかりの会社員や作業服を着た男たちが包装の解かれた雑誌を手にしていた。
レジで会計を済まし、車に向かって歩いていると突然大きな声で名前を呼ばれて、思わず脇に挟んでいた雑誌を落としそうになった。
「○○!」
「おーちゃん!」
おーちゃんは二つ年上の中学・高校の先輩で、その風貌は東京ダイナマイトとサンドウィッチマンの金髪のそれと似ていた。高校卒業後はお互い顔を合わせることはなかったが、数年前から近所のパチンコ屋で顔を合
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