【140字小説】サボテン他/三州生桑
 
【おせっかい】
地球の要人達に出迎へられた宇宙人が質問した。「人類のお手本となるやうな立派な人間は誰ですか?」アメリカ大統領が立ち上がった。「まあ私でせうな」二人が握手すると、宇宙人はポンッと大統領になってしまった。他の要人たちも次々に……遂には六十五億人全て大統領となり、人類は程なく滅亡した。


【サボテン】
熱帯植物園のサボテン展示室で、大きなダルマ型のサボテンに美女が腰掛けてゐた。身に着けてゐるのは血に濡れた真っ赤なシュミーズのみ。彼女は愉悦の表情を浮かべてゐる。サボテンの鋭い刺に犯されてゐたのだ。私は裸になり、彼女が立ち上がるのを待った。そのサボテンを一刻も早く犯したかったから
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