/結城 森士
 
ばっちりメイクを決めた洗練された女性よりも、眉毛もそらず化粧もしない、電車の中で涎をたらして眠る無防備な少女の方が断然美しいと感じた瞬間がある。これは本音だ。

よく子供は天使のようだと評されるが、確かに化粧によって整理された顔よりも、心の内をさらけ出す、ありのままの無防備な笑顔の方が美しい。また、社交辞令やマナー、人間関係を円滑にするための笑顔などで形成された性格より、ありのままの純粋な性格を晒しだす方が、奥深く、混沌とした中に美しさを秘めている。

しかし、純粋そのものである子供も、いつか着飾った大人になり、醜く老いていく。
天使のような心も、いつしか着飾った心に変わっていく。

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