だから私は、彼らに名前を付けたのです。/黒乃 桜
 

Aボタンを押す、彼女の手は震えていました。
動機と目眩。頭痛に涙腺爆発の傾向。
どうか誰か、私を救ってくださいと悲劇のヒロインを演じています。
彼女はネガティヴな人間でした。
周りの人間は彼女の作った「無償アイ」や「セラ」に騙されています。
もちろんその二人は私のいけ好かない二人であり、私は彼女を救い出したい気持ちにいつも襲われていましたから。
私は彼女の頭で叫び続けました。他の誰しもと同じように。

「御伽の国へ行きましょう!御伽の国へ!
あなたの好きな真っ白のお城に住むの!天井からは豪華なシャンデリアがかかっているわ!
いつかやった「お姫様ごっこ」の空想みたいに、オーロ
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