だから私は、彼らに名前を付けたのです。/黒乃 桜
ーロラに光り輝くのよ!
長いテーブルにはケーキにジュースにチョコレート!
あなたを守るナイトだっているわ!王子様だってきっと、ね!」
そこは幸せの国でした。逃げてしまうのはありません、新しい世界へと飛び出すのです。
彼女は画面を見つめます。うっすらと涙が浮かびます。
「辞めろ。馬鹿馬鹿しい。何が御伽の国だ、何が王子様だ。
世の中金と仕事!それだけだ。王子もケーキもいらねえ」
出ました。私の一番嫌いな、「緋劇」です。
現実主義者で金と仕事が命。私のような乙女チック全開の妄想は、真っ向否定です。酷い話です。
「女の子なんだもの、王子もケーキも必要よ!男のあなたには分か
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