架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙/robart
 

架空の国の話をする。

その国(仮にA国とする)はもとより存在しないことはおろか、むしろ僕の頭の中で自由に形を変える。例えばあるときは広大な海原にぽつんと浮かぶ島国であったりする。僕はアイリッシュ海のランディやファストネットといった島々を想像する。またあるときは砂漠の中の都市国家だったりする。石造りの家が立ち並び、週末、市場はそこそこの盛況を誇る。狐がネズミを追いかけまわす。やっと捕まえたと思った瞬間、狐は人間に射殺される。そんな閉鎖的空間を僕は想像する。そしていずれこの国がソドムとゴモラのように滅ぶのだろうかと憂いたりする。

便座上A国と呼ばれるその国は(もちろんA国呼ぶのは僕と、
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