架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙/robart
と、その架空の国民だけで、本当の名前に至っては誰も知らない。)当然ながら国連には所属していない。あまつさえその存在は僕以外の人間には誰も知られていない。しかしA国には多種多彩な文化とそれを支える100万人の国民がいる。民主的な政治が行われているし、先日大統領が2期目の当選を果たした。
その大統領を陰で操る黒幕が僕な訳だけれど。
他にもA国は僕の影響を如実に受ける。これは当たり前のことだ。A国とは、僕の脳内の、それもコンマ以下何パーセントのそこそこに優秀なニューロンたちが結びつき合ってつくられた国なのだから。だからこそ、僕がマクドナルドでA国を想像すれば、A国の大通りには黄金のアーチがかかっ
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