夭折の歌人に捧ぐ。/あ。
10年ほど前から、わたしはネットで詩を書くようになった。単純に、保管できる場所が欲しかったからだ。
それから今まで、たくさんの人に出会った。詩を書く人、詩を読む人、両方の人。
彼は、その中の一人だった。
私よりも3つほど年下である彼は、かなり初期の頃からの知り合いだ。
とても繊細な言葉を綴る人で、私は彼の詩が好きだった。また、彼も私の詩を気に入ってくれており、長きに渡って交流を続けていた。
ある時期から彼は、短歌を始める。その才能は素晴らしく、何度も賞を取り徐々に名を知られるようになっていった。
私と彼は住んでいるところが遠かったため、実際に会うことはなかった。それでも時々連絡
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