夭折の歌人に捧ぐ。/あ。
連絡を取り合っては、短歌の話や詩の話、その他彼が飼っている猫の話や私が飼っていた犬の話、お互いの恋人の話や友だちの話など、本当に様々なことを話していた。
その時は、彼が素晴らしい歌人であるということを申し訳ないが忘れており、たわいもない馬鹿な話もたくさんした。
私が詩集を出したとき、彼はすぐに購入してくれた。そして時を前後して彼も歌集を出版する。私も勿論すぐに購入した。しばらく後に本当に素晴らしい歌集であったと伝えるととても喜んでくれ、歌集の批評会に穂村弘氏が参加してくれてサインを求められたと、自分もサインをもらったと嬉しそうに語っていた。
彼の訃報を知ったのはつい昨日の話だ。ある経由で
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