良い文章が書けないから良い作品が作れない、なんてバカのロンポー!/影山影司
どうしてこんな狭苦しい部屋に閉じ込められているのか、俺にはさっぱり分からなかった。壁紙一枚貼り付けられていない打ちっ放しコンクリートが八方を囲み、天井と地面はチェス盤が敷き詰めてある。チェス盤の白い部分が仄かに光り、黒い部分が微かに影を落とした。おかげでこの部屋は何から何まで灰色に見える。
床の上には四本の脚がある。
肉付きや毛並みから見て、男の脚だ。
足首のちょいと上でカットされた脚の、その上にガラス板がでんとある。
ガラス板の上にはテレビがある。
テレビの上にはアンテナがあって、アンテナの上には天井があった。
ガラス板と脚は、全て揃って一つの机となっている。時折目
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