良い文章が書けないから良い作品が作れない、なんてバカのロンポー!/影山影司
折目を離した隙に何処かへ行こうとするが、幸いこの部屋に出口は無い。暫くすると元の位置でおとなしく蹲るのだ。
机は、ベッドに腰掛けてテレビを眺めるのに丁度良い高さだった。
ベッドは、パイプアートであった。小指ほどの太さのパイプが、自由にうねってベッドを形成しているのだ。一筆書きで作られているらしく、どうしても暇なとき、俺はパイプの端から端まで迷路を辿るように人差し指を伝わせる。
ついでにそのとき、シーツを捲って発見したのだけれども、ベッドの脚は女の脚だった。ふくらはぎがこれまた芸術的な曲線を描き、十枚の爪は美しくなかった。きっと、夏にミュールを履こう、なんて夢にも思わないんだ。
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