夢/高杉芹香
年が明けたばかりのその冬は 珍しく実家で過していた。
1/4の夜に東京に戻るはずだったのに
私は母さんに嘘ばっかついて
1/4の早朝にあの人のもとに走った。
武道館で、急遽、あのアーティストさんのバックで踊るって言うんだもの。
見てあげたいじゃない?。
ごめんね、母さん。
私は相変わらず人を愛してばかりです。
チケットもないのに武道館に走る。
そんなにいい席じゃなくてもいい。
1枚くらい余ってる人がいるはずよ。
神は私に味方した。
開演2時間前
現地で1枚のチケ
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