春の近い夏に通う?/吉岡ペペロ
この坂道をくだるといつも、だっくだっくと体がバラバラになりそうになるのを骨だけが繋ぎとめているような気がして、吉梨三郎は不快なリズムを味わうのだった。
それならバスを使えばいいのだが、三郎はそうしなかった。
おーい、
坂をあがってきたおなじゼミの茶本春子の声だった。
駅までの坂道はふとくてぐねぐねとしている。そのぐねぐねとした象徴のようなところで、ふたりは歩をゆるめた。
どこいくん、バイトか、
おまえはいまから大学なんか、
そうや、がんばりなあ、
春子がまた坂道をあがっていった。
うえからバスのうなりがしてくる。身をかたくしてそれをや
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