青虫のキモチになって考えてみました/
 
どうぶつの心の内容を覗きみることは、自然科学の領域ではタブーだし、
主観的にそれをやっちゃうと、サイエンスではあり得なくなってしまう。
それはもはやブンガクだ。
どうぶつ奇想天外法だ。

だが、たとえばアオムシがサナギの殻を破って、アゲハになる過程(のキモチ)を、
『アオムシになり切って』 想像してみよう。

幼虫のアオムシは「単眼」だ。
頭部についた6つの単眼で、かがやく世界を視ている。
ミカンの木の葉っぱなんかをもしゃもしゃしながら、
天敵(鳥とか)が近づいて来たら臭い角をひゅっと出したりしながら、
数回の脱皮を重ねるうちにみるみる大きくなり、やがて
[次のページ]
戻る   Point(9)