パパはロボット/済谷川蛍
パパはロボット
一週間ぶりの帰宅。子供たちには出張と言ってある。でも実際は違う。実際は、私はロボットに改造されていた。
私は車から降りた。動きは割とスムーズだ。少し以前と違うように思うが、気持ちの問題だろう。玄関の灯がついている。鍵はきちんと閉められていた。確認用画面の付いたインターホンを鳴らし、少し待った。緊張した。ロボットになってから初めて妻と会うからだ。私の姿かたちは以前と全く相違ない。だけど妻は僕と同じくらい複雑な気持ちだろう。画面が付いた。妻はいつもと変わらない調子で「おかえり」と言った。ペットのゴローがやたらと吠えまくっているが、これはいつものことだ。だが、彼
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