パパはロボット/済谷川蛍
、彼が以前と違う私を噛まないという保証はない。
玄関が開いた。妻と、二人の息子が迎えてくれた。
「パパ、おかえりー」
「ただいま」
ゴローは私の足の周りにまとわりついてクンクンと匂っていた。妻が心配そうに見つめる。ゴローはラブラドールレトリバーだ。ゴローも私を迎えてくれた。
午後八時。もう夕食は終えていた。私はいつものようにソファーに座った。ズシッといつもの二倍ソファーが沈んだ。私は焦って、隣にいる子供たちのほうに目をやった。しかし子供たちはテレビに夢中になっている。私は食卓のイスに座りかえた。妻は食器を洗っていて、気付いたかどうかはわからない。
午後九時。
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