反語/杉原詠二(黒髪)
 
反語を
真に受けてしまい
申し訳がない

わたしの智慧の無さに
愕然とするべきだ

嘘ではなく反語
まったく反対のことを言おうとしていた

わたしにはわからなかった

あなたはわたしを嫌ったのではなく
愛の告白をされていたのだろう
もし嫌われているのならば
なぜわたしの心に愛が昇ることがあろうか
あなたはわたしをさげすむことは
いちどとしてなかった
たがいを尊び合ったはずだ
わたしを振るならば振れ
過去現在未来のどの心でもって
あなたはわたしを振るのかな
いや意固地なことはもうしません
不可能な意味なきことを聞きました
もはやわたしの不動心は揺るぎな
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